DeFiとは?初心者のためのわかりやすい解説

DeFi(ディファイ)とは、”Decentralized Finance”の頭文字をとったもので、直訳すると「分散型金融」という新しい金融システムを意味する言葉です。

これに対して、従来の金融システムはCeFi(シファイ)と言います。これは、”Centralized Finance”の頭文字を取ったもので、「中央集権型金融」という意味です。

それでは新しい金融システムであるDeFiとは、どのようなものなのでしょうか?CeFiと比べて何が優れているのでしょうか?

本ページでは、この点についてわかりやすく解説していきます。

目次

CeFiとは〜従来の金融システム〜

新しい金融システムであるDeFiについて理解するために、まず従来の金融システムであるCeFiについて理解しておきましょう。

繰り返しになりますが、CeFi(シファイ)とは、”Centralized Finance”の頭文字を取ったもので、「中央集権型金融」という意味です。これは従来の伝統的な金融システムのことを意味します。

銀行が王様

「中央集権型金融」という名の通り、CeFiでは、預金や支払い・貸付・借入などの金融サービスを利用する際には、いちいち中央管理者である銀行を経由しなければなりません。そして、何をするにも必ず銀行による審査が必要です。

そのため、CeFiにおいて金融サービスを利用するには、絶対に銀行口座が必要になります。銀行口座がない人は金融の世界に参加することはできません。

このようにCeFiにおいては銀行が金融のすべてを管理しているため、銀行はCeFiにおける王様であると言えます。

実際、従来のCeFiにおいて銀行は非常に巨大であり、世界の上位10個の銀行をすべて合わせると、その時価総額はなんと2兆ドルにもなります。

ひろ

余談ですが、仮想通貨市場の時価総額トータルも2021年4月に2兆ドルを超えました。日本にいるとなかなか実感が湧きませんが、DeFiに対する世界的なニーズの大きさがうかがえます。

CeFiの欠陥

しかし、まさに、この銀行に全ての権力が集中しているという構造にこそCeFiの欠陥があります。その欠点の最も大きなものは、銀行がミスを犯せば、世界金融全体に大きなダメージを与えてしまうというものです。

「リーマンショック」として知られる2008年の世界金融恐慌は、この最たる例です。

このときの銀行は「サブプライムローン」という低所得者向けの住宅ローンに対して、過剰な与信を行ってしまっていました。このちょっとしたミスが、世界金融が壊滅的なダメージを負うことになる結果を招いたのです。

リーマンショックは、従来の伝統的な金融システムの欠点を浮き彫りにしました。そして、多くの人々が「もっと良い金融システムを実現するべきだ」と考えるきっかけとなりました。

DeFiとは〜新しい金融システム〜

DeFiは、インターネットとブロックチェーンのテクノロジーによって可能になった新しい金融システムです。「分散型」という名の通り、DeFiでは中央組織である銀行は存在しません。必要がないからです。

そのため中央組織に権力が集中することによる弊害はありません。さらにDeFiではCeFiと比べて、次の3点が大きく改善されています。

  • 早くて安い送金システム
  • 誰でも使えるアクセシビリティ
  • すべてが明らかな透明性

それぞれ解説します。

早くて安い送金システム

金融取引のすべてにいちいち銀行が関わるCeFiにおいては、他国の誰かに送金しようとすると、大きな手間と費用がかかります。

まず送金完了までに数日かかります。さらに送金に関わる全ての金融機関において、いちいち追加費用が発生します。

たとえばアメリカからオーストラリアに送金するとしたら、アメリカドルからオーストラリアドルへの交換費用に加えて、2種類のワイヤー送金費用が発生するので、合計3種類の費用を支払わなければなりません。その上で送金が反映されるまでに数営業日かかります。

一方でDeFiにおける仮想通貨の送金では、そもそも銀行が存在せず、中間マージンが発生しないため、CeFiと比べて手数料は安くなります。さらに、世界中のどこに対する送金であっても、数秒から数分の間で着金します。

また、CeFiでは、たとえば「母国の困っている家族に送金したい」というような善良な動機の場合でも、国際情勢等によっては、コンプライアンスや反マネーロンダリング法・個人情報保護法などの観点から、銀行が送金を拒否する場合があります。

DeFiでは、そのように第三者の都合で送金ができなくなるということはありません。

誰でも使えるアクセシビリティ

日本人であれば、銀行口座を開設できないということはありません。しかし、世界では預金口座を開設できない人が、17億人も存在しています(2017年世界銀行調べ)。

彼らは主に、貧困や地理的要因・信用不足によって、銀行から口座の開設を拒絶されている人々です。

銀行口座を開設できていない人口のヒートマップ

銀行口座を開設できないということは、世界の金融システムから締め出されているのと同じことです。彼らは、給料を安全な口座で受け取ることも、家族や親戚からお金を振り込んでもらうことも、自分でビジネスの準備をすることもできません。

しかし、DeFiでは、そもそも銀行口座を開設する必要がありません。インターネットにアクセスできる人なら、誰でもDeFiの金融サービスを利用することができます。そのため、このような不条理な仕打ちを受けることはありません。

そして、世界銀行によると、銀行口座を開設できない人々の3分の2は、何らかの形でスマートフォンを利用しています。

つまりDeFiは、銀行口座を持てない何億人もの人々が金融システムに参加することを可能にしてくれるのです。そうした人々が金融システムに参加することが可能になると、各々が商売をしたり、家族や親戚からの送金を受け取ったりして、生計を立てられるようになるための重要なきっかけとなります。

すべてが明らかな透明性

法律や規制によって統制の取れた伝統的な銀行は、資金の預け先としてもっとも信用できる場所の一つであることは疑いようがありません。しかし上述のように、銀行に権力や資金が集中する状況は、世界金融にとって危険です。

それに加えて透明性も問題です。

CeFiでは、銀行が裏で何をやっているのかを一般投資家が理解するのは困難です。

たとえば、2008年の世界金融恐慌の大きな原因の一つは、ハイリスクな住宅ローン債権(サブプライムローン)に、最も安全な投資先であることを意味するAAAランクが与えられたことにあります。しかし、この問題を見通せていた人は、実際に事が起こるまで、誰もいませんでした。

DeFiではこのような不透明性はありません。

DeFiではプロトコル(ルール)は、全てオープンソースのパブリックなブロックチェーン上に記録されており、誰でも確認することができます。

そして通常DeFiは、非中央集権の自律組織(DAO)によって運営されており、誰もが今何が起こっているのかが分かるようになっていますし、悪意のある個人が、全体にとって不利益となるような軽率な決断を下すことはできないようになっています。

以上のことからDeFiは、中央管理者の必要なく中間業者を全て排除した上で、適切に運営することが可能になっているのです。

まとめると、DeFiは、中央管理者がなく、人種や宗教・年齢・地理的要因などに関係なく、世界中の誰でも金融を利用できるようにした革新的な発明なのです。

DeFiが可能にする新しい金融サービス

ここまでお伝えしてきた通り、DeFiは、預金・送金・取引・貸付け・借受けといった、生活を豊かにするために欠かせない金融サービスを、中央管理者の存在を必要とせず、世界中の誰もが使えるようになるための大きなムーブメントです。

ひろ

ちなみにDeFiの金融サービスのほとんどは、Dappsというイーサリアム・ベースのテクノロジーによって作られています。現時点では、これらについて深く理解する必要はありませんが「DeFiのほとんどはDappsによって作られている」ということだけは覚えておいてください。

DeFiは、伝統的な金融業界の銀行や保険、債券、資金市場などを模倣した、Dappsによって作られたさまざまな金融サービスの総称です。

そして、Dappsを使ったDeFiの新しい金融サービスは信じられないほどの勢いで拡張しています。

具体的には、Dappに対して投下された資金は、2019年の初めの時点で2億7500万ドルだったのですが、2021年4月にはイーサリアムだけで670億ドルになっています。バイナンスやソラーナなどのすべてのチェーンを合わせると、860億ドルになっています。

そこで、ここでは、DeFiが可能にする新しい金融サービスについて、9つのアイデアを紹介します。

DeFiの世界は、非常に素早く大きく成長しているので、ここでDeFiによって可能になるものすべてを紹介するのは不可能です。そこで、DeFi初心者にとって、絶対的に重要なカテゴリーをいくつか選んで紹介します。しかしながら、DeFiの現状は、非常に実験的であり新しいものでもあります。おそらく、時がたつごとに、DeFiは現在では全く予想できない分野で使われるようになることでしょう。

そうだとしても、黎明期である現在のDeFiを理解することは役立ちます。

それぞれ見ていきましょう。

①分散型ステーブルコイン

仮想通貨の価格は非常にボラティリティが高いことで知られています。一日のうちで価格が10%以上動くなんてことはザラです。

そのため仮想通貨は今のところ、通貨の三大機能の一つである価値保存としての役割は、そこまでうまく果たすことはできていません。この問題を解決するために発明されたのがステーブルコインです。

ステーブルコインは、その価値がアメリカドルなどの法定通貨に固定されている仮想通貨です。たとえばTether(USDT)は、最初の中央集権型のステーブルコインの一つです。全てのUSDTの価値はアメリカドルによって裏付けされています。

ただし、USDTのような中央集権型のステーブルコインは、通常の法定通貨と同じように、「担保となるアメリカドルの準備金が確かに存在しているという幻想を信じる」、ということが価値の裏付けになっています。つまり従来の金融システムと同じ信用問題が存在するということです。

非中央集権のステーブルコインは、この信用問題を解決します。これらは”over-collateralization method”というもので作られており、完全にブロックチェーン上で運用されており、DAOによって運営されています。そのため誰でも公式に、その価値の裏付けを精査することが可能です。

ステーブルコインは、それ自体は金融アプリケーションではありませんが、安定した価値の貯蔵手段として、DeFiのアプリケーションを誰でも利用できるようにするために必要不可欠なものです。

②分散型貸付と分散型借受

従来の金融システムでは、金融サービスを利用するには、銀行口座が必要です。しかし世界人口のうち17億人は銀行口座を持っていません。

そして、銀行口座を持っていたとしても、例えば銀行からお金を借りるには、銀行を説得するために、高い信用スコアや、十分な担保が必要になります。

分散型貸付や分散型借受では、こうした障害を取り除くことができます。

誰でも自分のデジタル資産を担保にして、資金を借り受けることができます。

それだけでなく、銀行がやっているように、誰もが自分の資産を使ってイールドを稼ぐことができますし、レンディングプールに貢献することで貸し手市場に参加することができます。それらの資産を使って利子を稼ぐことも可能です。

③分散型取引(DEX)

ある仮想通貨を別の仮想通貨に交換するときは、一般的には、CoinbaseやBinanceなどの仮想通貨取引所を使います。そのような交換は、中央集権的な交換です。なぜなら、この場合、それらの仮想通貨取引所が、あなたの仮想通貨の保管や取引の管理を行なっているからです。

仮想通貨を、仮想通貨取引所に預けているため、もし取引所がハッキングされたら、その仮想通貨を失うリスクもあります。

分散型の取引では、ユーザーは彼らのコインを取引所で保管する必要はありません。ユーザーは自分の仮想通貨を自分のウォレット内で管理することができ、そのウォレットを使ってユーザー間で仮想通貨の取引を行うことができます。

仮想通貨を中央集権の取引所に保管する必要がないので、取引所のハッキングリスクや倒産リスク等の心配がありません。

④分散型デリバティブ

デリバティブとは、その価値が、株やコモディティ、通貨、インデックス、債券、利子などの資産によって裏付けられた契約のことです。

トレーダーは、リスクコントロールのためのポジションヘッジを目的としてデリバティブを使うことができます。例えば、あなたがグローブの生産者だとして、ゴムの価格の不慮の上昇をヘッジしたいとします。その場合、サプライヤーから、将来の指定の日時に指定の合意した価格でゴムを届けてもらうよう、先物契約をいま買うことができます。

デリバティブ契約は、主に中央集権のプラットフォームでトレードされます。

DeFiプラットフォームは、非中央集権のデリバティブ市場を作ろうとし始めています。

⑤分散型ファンドマネジメント

ファンドマネジメントとは、投資からのリターンを生み出すために、資産を監視して、キャッシュフローを管理することです。ファンドマネジメントには2種類あります。アクティブとパッシブです。

アクティブ・ファンドマネジメントは、S&P500などの特定のベンチマークよりも高い成果を生み出すように、マネジメントチームで、投資判断を行うも音です。

パッシブ・ファンドマネジメントは、マネジメントチームを持たず、しかし、特定のベンチマークにできるだけ近い成果が出るように真似するものです。

Defiでは、パッシブファンドマネジメントが非中央集権的な方法で起こるようになるためのいくつかのプロジェクトが、すでに始まっています。

DeFiの透明性が、ユーザーにとって、資産がどのように運営されて、それに対してどれぐらいのコストを払うことになるのかを理解しやすくしてくれます。

⑥分散型ロッタリー

あるDeFiのDappで次のようなものがあります。

  1. 参加者が自分たちの資産をプールする
  2. プールされた資金を、DeFiのレンディングDappに投資する
  3. 投資によって稼がれた利子が、ランダムなウィナーに与えられる

ウィナーが選ばれた後は、ロッタリーの購入者は、チケットの払い戻しを受けます。すべての参加者に損はありません。

⑦分散型支払い

あるDeFiプロジェクトの一つは、支払いに対するアプローチそのものを変えることを狙っています。具体的には、支払いを、トランザクションというよりはストリームとして再定義しようとしています。

DeFiの誕生は、支払いそのものを変えてしまう可能性があるのです。

⑧分散型保険

保険とは、不慮の事態が起きたときに、保険会社から、個人が金融的な保護を受け取れる、または損失の補填を受けられるというリスク管理戦略のことです。

個人にとって、車や家、健康、生命についての保険を買うことは非常に一般的なことです。

それではDeFiの分散型保険はどのようなものがあるでしょうか。

スマートコントラクトにロックされている全てのトークンは、潜在的に脆弱です。なぜなら、ほとんどのプロジェクトはコードベースで精査されていますが、我々はスマートコントラクトが本当に安全であるかどうかの本当のところは決して分からないからです。

単純に常にハッキングの可能性はつきまといます。

こうしたリスクがあるため、分散型保険は必要だと考えられます。実際、DeFiで多額の資産を扱うときのための保険DeFiは既にいくつか存在します。

⑨ガバナンス

DeFiプロトコルがプロジェクトを管理するには、ガバナンストークンが使われます。ガバナンストークンは、ユーザーに投票権と発言権を与えます。

そして効果的なガバナンスを促進するために、すでに複数のツールやDappsが開発されています。

まとめ

以上、DeFiとは何か、DeFiが可能にする新しい金融サービスのアイデアについて解説しました。

DeFiの概念は、ここで解説したものから大きく変化することはありません。しかしDeFiの応用については、ここで解説したアイデアはあくまでもDeFi黎明期のものです。今後、現時点では想像もできないような創造的なアイデアが出てきて、現実世界が大きく様変わりする可能性があります。

そうした変化にいち早く対応して、チャンスをものにするためにも、基本概念はしっかりと抑えておきましょう。



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