ベクトルの掛け算とは簡単に言うと、「ベクトルの向きはそのままで、長さを伸ばしたり縮めたりすること」です。 これはベクトルの和と並んで、線形代数において基礎となる重要な計算です。なぜなら、あらゆるものごとを線形代数的に分析するための土台(「線形空間」と言います)が、このベクトルの和とベクトルの掛け算から成り立っているからです。 そこで、このページでは、これらについてアニメーションを用いながら、ベクトルの掛け算について、視覚的にもわかりやすく解説していきます。ぜひお役立ていただければと思います。 なお、ベクトルの和については『ベクトルの和とは何か?誰でもわかる幾何学的な意味と計算方 …
線形代数
ベクトルの和とは何か?誰でもわかる幾何学的な意味と計算方法の解説
ベクトルの和は、幾何学的には「二つのベクトルを継ぎ足したときの最終的な座標に対して、原点から伸びる新しいベクトル」です。数学的には「二つのベクトルの座標を成分ごとに足し合わせたもの」です。 これはベクトルの掛け算と並んで、「線形空間」と呼ばれる線形代数の土台を形成する重要な概念の一つです。 当ページでは、このベクトルの和について、アニメーションを使いながら、誰でも簡単に理解できるように解説していきます。 それでは始めましょう。 …
ベクトルの座標とは?アニメーションでわかりやすく解説
ベクトルの座標とは、あるベクトルの長さと向きを数字の組み合わせで表すための概念です。 少しおさらいですが、前回の記事『ベクトルとは一体なに?その意味と定義が深く理解できる解説』で解説したように、ベクトルとは長さと向きをもつ矢印です。しかし、ベクトルを常に矢印で表すのは不都合です。なぜなら、そのままではベクトルの和や掛け算などの計算を行うことができないからです。 この問題を解決するのが「座標系」であり、「ベクトルの座標」です。当ページでは、これについて、アニメーションを使いながら、視覚的にもわかりやすく解説します。 …
ベクトルとは一体なに?その意味と定義が深く理解できる解説
ベクトルとは、一般的には「大きさと向きをもつ量」であり「矢印で表すことのできる量」と説明されます。 ただし、この説明は物理学的な視点に立ったときの解釈です。実際は、ベクトルはさまざまな分野で異なった使い方をされている概念であるため、その定義を一言で表すことはできません。 たとえば物理学においては世の中のありとあらゆる物体運動を理解するための矢印ですが、コンピューター・サイエンスにおいては機械学習やCG(コンピューター・グラフィックス)で重要な役割を果たす特別なデータです。そして数学においては線形代数の中心的な概念の一つです。 このようにベクトルは分野によって使われ方が異なります …
2×2, 3×3, 4×4 の行列式の計算方法[練習問題付き]
このページでは、2次行列式、3次行列式、4次行列式のそれぞれの行列式の計算方法と、その覚え方を解説しています。さらに理解を深めるための練習問題も用意しています。お役に立てば嬉しく思います。 それでは見ていきましょう。 なお、ここで解説している計算方法で行列式の値を求められる理由は『行列式とは?意味と定義と求め方~行列式とは何か驚くほどよくわかる解説~』で解説しています。 …
余因子行列で逆行列の公式を求める方法と証明について解説
余因子行列を使うと、有名な逆行列の公式を求めることができます。実際に逆行列の公式を使って逆行列を求めることはほとんどありませんが、逆行列の公式について考えることで、行列式や余因子行列についてより深く理解できるようになります。そして、これらについての理解は、線形代数の学習が進めば進むほど役立ちます。 それでは早速解説を始めましょう。なお、先に『余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~』を読んでおくと良いでしょう。 …
余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~
行列式の展開とは、簡単に言うと「高次の行列式を、次元が一つ下の行列式(小行列式)の和で表すこと」です。そして、小行列式を表すために「余因子」というものを使います。これらについて理解しておくことで、有名な逆行列の公式をはじめとした様々な公式の証明が理解できるようになります。 ここでは、これについて誰にでもわかるように解説します。直感的な理解を助けるためのに役立つアニメーションも用意しているので、ぜひご覧いただければと思います。 それでは始めましょう。 …
逆行列の求め方~掃き出し法と逆行列の公式の2つの方法の徹底解説~
当ページでは逆行列の求め方について、以下の2つの方法を解説します。 掃き出し法逆行列の公式 先にお伝えすると、逆行列は掃き出し法で求めるのが一般的です。 一方で、逆行列の公式は、手計算において実際に使うことはほとんどありません。しかし、逆行列について数学的に考える力を身に着けるという点においては、とても有用です。 そこで当ページでは、両方について解説していきます。 なお、内容を理解するには最低限、行列を使った連立方程式の解き方を理解しておく必要があります。不安な方は、先に『連立方程式を行列で解く方法|行の基本変形と掃き出し法』をぜひ復習しておきましょう。 それ …
連立方程式を行列で解く方法|行の基本変形と掃き出し法とは
行列で連立方程式の解を求めるのは、最も基本的な行列の使い方の一つです。とてもシンプルなものですが、行列を扱う上でなくてはならない技術です。 また、普通の解き方では、未知数が何十何百もあるような連立方程式に対応することはほとんど不可能です。しかし、行列とコンピュータの力を借りると、どれだけ未知数が多い連立方程式でも解くことができます。 とても重要な技術なので、ぜひ、このページでしっかりと学んでいただければと思います。 なお、このページで行列での連立方程式の解き方を学ぶ過程で… 単位行列とは何か行列の基本変形とは何か掃き出し方法とは何か といった重要な概念についてもバッ …
ベクトルの引き算の求め方と計算方法の初心者のための解説
ベクトルの引き算は、幾何学的には、反転したベクトルとの和で求めることができます。成分表示においては、単純にそれぞれの座標ごとに引き算をすることで求めることができます。 このベクトルの引き算を使いこなせるようにあると、例えば、速度 \( \vec{a} \) で移動する車の中から、速度 \( \vec{b} \) …