実は簡単!分数関数の積分のやり方と重要な2つのポイント

分数関数の積分は、何だか複雑なものに見えてしまうかもしれません。しかし、それは体系立てて解説しているものがほとんどないだけであって、本当は、ここまで一つずつ積分を学んできた方であれば、とても簡単に求めることができます。

なぜなら、置換積分と部分分数分解という2つの知識をしっかりと理解して活用するだけで、苦もなく求めることができるからです。というわけで、早速解説していきましょう。

目次

1. 分数関数の積分に必要な知識

冒頭でも述べましたが、分数関数の積分は、体系立てて説明されているものがなくて、なんだかごちゃごちゃしていて難解なもののようなイメージを持ちがちです。しかし実際は、とても簡単です。実のところ必要な知識は以下の2つだけだからです。

  • 置換積分(厳密には \(\frac{f(x)}{f^{\prime}(x)}\) の積分)
  • 部分分数分解

それぞれ、あらためて抑えておきましょう。

1.1. 置換積分

分数関数の積分する上で、覚えておきたい公式は、置換積分の応用で導き出される、以下で示した「分子が分母の導関数(またはそれの n 倍)である分数関数の積分公式」だけです。

分数関数の公式

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{f^{\prime}(x)}{f(x)}dx
&=&
\log |f(x)|
\end{eqnarray}\]

置換積分を用いた証明を見る

\(f(x)=t\) とすると、それぞれの記号は次の通りになります。

\[\begin{eqnarray}
f(x)&=&t\\
\frac{dt}{dx}&=&f^{\prime}(x)\\
dx&=&\frac{dt}{f^{\prime}(x)}
\end{eqnarray}\]

これらを積分式に置換すると、公式が求められます。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{f^{\prime}(x)}{f(x)}dx
&=&
\int \frac{f^{\prime}(x)}{t} \frac{dt}{f^{\prime}(x)}\\
&=&
\int \frac{1}{t}dt\\
&=&
\log|t|\\
&=&
\log |f(x)|
\end{eqnarray}\]

練習問題を見る

例として、以下の分数関数の積分を求めてみましょう。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{2x-1}{x^2-x-6}dx
\end{eqnarray}\]

ここで \(u=x^2-x-6\) とすると、\(u^{\prime}(=\frac{du}{dx})=2x-1\), \(du=(2x-1)dx\) となります。そして、これらで置換すると、次のように公式通りの積分が求められます。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{2x-1}{x^2-x-6}dx
&=&
\int \frac{\overbrace{(2x-1)dx}^{du}}{\underbrace{x^2-x-6}_{u}}\\
&=&
\int \frac{1}{u}du\\
&=&
\int \frac{1}{u^{\prime}}du\\
&=&
\log |u|\\
&=&
\log |x^2-x-6|
\end{eqnarray}\]

参考:1/x の積分は log|x|

この公式は、一見しただけでは「分子が分母の導関数になっている分数関数でのみ利用価値があるに過ぎないもの」に見えるかもしれません。しかし実は、この公式と「部分分数分解」を組み合わせることで、ほとんどの分数関数の積分を求められるようになります。

1.2. 部分分数分解

部分分数分解とは、ある分数関数を、複数の異なる分数の和(差)で表す技術です。これは積分よりも前に学んでいるはずなので詳しい解説は省略します。以下の例題と代表的なパターンをご覧頂くと、理解の役に立つでしょう。

部分分数分解の例題とパターン

部分分数分解の練習問題

以下の分数関数を部分分解してみましょう。

\[\begin{eqnarray}
\frac{3x+11}{x^2-x-6}
\end{eqnarray}\]

まず、\(x^2-x-6\) を因数分解すると \((x-3)(x+2)\) になります。

\[\begin{eqnarray}
\frac{3x+11}{x^2-x-6}
&=&
\frac{3x+11}{(x-3)(x+2)}\\
&=&
\frac{A}{x-3}+\frac{B}{x+2}\\
&=&
\frac{A(x+2)+B(x-3)}{(x-3)(x+2)}\\
\end{eqnarray}\]

以上のことから、\(3x+11=A(x+2)+B(x-3)\) であることがわかります。これに \(x=3, \ -2\) を代入すると、定数 \(A, \ B\) を算出できます。

まず \(x=3\) とすると、以下のように \(A=4\) が求まります。

\[\begin{eqnarray}
3(3)+11
&=&
A(3+2)+B(3-3)\\
\rightarrow
20&=&5A+0B\\
\rightarrow
4
&=&
A
\end{eqnarray}\]

次に \(x=-2\) とすると、以下のように \(B=-1\) が求まります。

\[\begin{eqnarray}
3(-2)+11
&=&
A(-2+2)+B(-2-3)\\
\rightarrow
5&=&0A-5B\\
\rightarrow
-1
&=&
B
\end{eqnarray}\]

後は、これを先ほどの式に代入すると部分分数分解は完了です。

\[\begin{eqnarray}
\frac{3x+11}{x^2-x-6}
&=&
\frac{A}{x-3}+\frac{B}{x+2}\\
&=&
\frac{4}{x-3}-\frac{1}{x+2}
\end{eqnarray}\]

このように、部分分数分解をすると、\(\frac{f^{\prime}(x)}{f(x)}\) の形の分数関数が複数現れます。後は先程の公式に従って積分を行うだけです。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{3x+11}{x^2-x-6}dx
&=&
\int\frac{4}{x-3}dx
\ – \
\int\frac{1}{x+2}dx\\
&=&
4 \int
\frac{u^{\prime}}{u} dx
\ – \
\int
\frac{w^{\prime}}{w} dx
\\
&=&
4 \log |x-3|-\log|x+2|
\end{eqnarray}\]

分数関数の積分は、このように部分分数分解をすることで求めることができます。

部分分数分解のパターン

\[\begin{eqnarray}
&(1)&
\frac{1}{(x-a)(x-b)}
=
\frac{A}{x-a}
+
\frac{B}{x-b}\\
&(2)&
\frac{Px+Q}{(ax-b)(cx-d)}
=
\frac{A}{ax-b}
+
\frac{B}{cx-d}\\
&(3)&
\frac{Px+Q}{(ax-b)^2}
=
\frac{A}{ax-b}
+
\frac{B}{(ax-b)^2}\\
&(4)&
\frac{1}{(ax-b)^2(cx-d)}
=
\frac{A}{ax-b}
+
\frac{B}{(ax-b)^2}
+
\frac{C}{cx-d}\\
&(5)&
\frac{Px^2+Qx+R}{(ax-b)(cx^2-dx-e)}
=
\frac{A}{ax-b}
+
\frac{Bx+C}{cx^2-dx-e}
\end{eqnarray}\]

例は後ほどの練習問題内で解説します。

このように部分分数分解を行うと、ある分数関数を、「分子が分母の導関数(またはそれの n 倍)である分数関数の足し算(引き算)」で表すことができるのです。そして、ある分数関数をそこまで分解できたなら、後は、置換積分の公式で、その積分を簡単に求めることができます。

大学入試レベルであれば、ほぼすべての分数関数積分は、これらでカバーすることができます。そうでない場合については、後ほどあらためて解説します。

なお厳密には、部分分数分解は、分母の方が分子よりも次数が大きい場合に可能なものです。そのため、その条件に合致する分数関数の積分の場合に、上の公式と部分分数分解で求めることができるということになります。なお次数とは、\(x^n\) における \(n\) の大きさです。つまり、\(x^2\) より \(x^3\) の方が次数が大きいということになります。

2. 練習問題

それではいくつか練習問題を解いてみましょう。

分数関数の積分は、

  • 分母が二つの異なる一次式の積の場合はこう…
  • 分母が一次式の平方根の場合はこう…
  • 分母が二次式の場合はこう…

というように解説され、それらのパターンを覚えておかなければいけないように思ってしまいます。しかし、それは誤りです。そのような不毛なパターン分けをする必要はありません。

使うのは置換積分と部分分数分解だけであり、これらを理解しておけば、パターンがどうとか考える必要なく、簡単に解けるようになります。以下の練習問題は、これについての理解を深めるためにとても役に立ちます。

練習問題

注1:
練習問題③と練習問題④を解くには、後述する \(\int \frac{1}{x^2+a^2}dx\) の理解が必要になります。詳しくは後の補足で説明しますが、これも置換積分から導き出すことができます。

練習問題①

一つ目の練習問題は、上で用いたものと同じです。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{3x+11}{x^2-x-6}dx
\end{eqnarray}\]

これを解くには、まず関数の分母を可能な限り因数分解をします。

\[\begin{eqnarray}
\frac{3x+11}{x^2-x-6}
&=&
\frac{3x+11}{(x-3)(x+2)}\\
&=&
\frac{A}{x-3}+\frac{B}{x+2}\\
&=&
\frac{A(x+2)+B(x-3)}{(x-3)(x+2)}\\
\end{eqnarray}\]

以上より \(“3x+11=A(x+2)+B(x-3)”\) となるので、この定数 \(A\) と \(B\) を求めることができます。

まず \(x=3\) とすると、以下のように \(A=4\) が求まります。

\[\begin{eqnarray}
3(3)+11
&=&
A(3+2)+B(3-3)\\
\rightarrow
20&=&5A+0B\\
\rightarrow
4
&=&
A
\end{eqnarray}\]

次に \(x=-2\) とすると、以下のように \(B=-1\) が求まります。

\[\begin{eqnarray}
3(-2)+11
&=&
A(-2+2)+B(-2-3)\\
\rightarrow
5&=&0A-5B\\
\rightarrow
-1
&=&
B
\end{eqnarray}\]

これで部分分数分解が完了です。

\[\begin{eqnarray}
\frac{3x+11}{x^2-x-6}
&=&
\frac{A}{x-3}-\frac{B}{x+2}\\
&=&
\frac{4}{x-3}-\frac{1}{x+2}
\end{eqnarray}\]

ここまで来たら置換積分の公式を使って、簡単に積分を求めることができます。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{4}{x-3}dx-\int \frac{1}{x+2}dx
&=&
\int
\frac{4u^{\prime}}{u} dx
\ – \
\int
\frac{w^{\prime}}{w} dx\\
&=&
4 \log|u|-\log|w|\\
&=&
4 \log |x-3|-\log|x+2|
\end{eqnarray}\]

※ \(u=x-3, \ \ w=x+2\)

練習問題②

次に以下の積分を求めてみましょう。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^2+4}{3x^3+4x^2-4x}dx
\end{eqnarray}\]

これは次のように部分分数分解を行うことができます。

\[\begin{eqnarray}
\frac{x^2+4}{x(x+2)(3x-2)}
=
\frac{A}{x}+\frac{B}{x+2}+\frac{C}{3x-2}
\end{eqnarray}\]

次に、それぞれの定数部分 \(A,B,C\) を求めます。

\[\begin{eqnarray}
x^2+4=A(x+2)(3x-2)+B(x)(3x-2)+C(x)(x+2)
\end{eqnarray}\]

\[\begin{eqnarray}
x&=&0 &:& \hspace{16mm} 4&=&A(2)(-2) \hspace{16mm} &\Rightarrow& A=-1\\
x&=&-2 &:& \hspace{16mm} 8&=&B(-2)(-8)&\Rightarrow& B=\frac{1}{2}\\
x&=&\frac{2}{3} &:& \hspace{14mm} \frac{40}{9}&=&C(\frac{2}{3})(\frac{8}{3})&\Rightarrow& C=\frac{5}{2}
\end{eqnarray}\]

最後に、これを代入して、置換積分を行えば解答が得られます。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^2+4}{3x^3+4x^2-4x}dx
&=&
\int \frac{-1}{x}dx+\int \frac{\frac{1}{2}}{x+2}dx+ \int \frac{\frac{5}{2}}{3x-2}dx\\
&=&
– \log |x|+\frac{1}{2}\log |x+2|+\frac{5}{2\cdot 3}\log |3x-2|
\end{eqnarray}\]

練習問題③

次に積分を求めましょう。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^2-29x+5}{(x-4)^2(x^2+3)}dx
\end{eqnarray}\]

これの部分分数分解は次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
\frac{x^2-29x+5}{(x-4)^2(x^2+3)}
=
\frac{A}{x-4}
+
\frac{B}{(x-4)^2}
+
\frac{Cx+D}{x^2+3}
\end{eqnarray}\]

定数部分は次のように求められます。

\[\begin{eqnarray}
x^2-29x+5
&=&
A(x-4)(x^2+3)+B(x^2+3)+(Cx+D)(x-4)^2\\
&=&
(A+C)x^3+(-4A+B-8C+D)x^2+(3A+16C-8D)x-12
\end{eqnarray}\]

\[\begin{eqnarray}
A+C&=&0\\
-4A+B-8C+D&=&1\\
3A+16C-8D&=&-29\\
-12A+3B+16D&=&5
\end{eqnarray}\]

\[\begin{eqnarray}
A-1, \ B=-5, \ C=-1, \ D=2
\end{eqnarray}\]

そして置換積分の公式で積分を求めます。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^2-29x+5}{(x-4)^2(x^2+3)}dx
&=&
\int \frac{1}{x-4}dx

\int \frac{5}{(x-4)^2}dx
+
\int \frac{-x+2}{x^2+3}dx\\
&=&
\int \frac{1}{x-4}dx

\int \frac{5}{(x-4)^2}dx

\int \frac{x}{x^2+3}dx
+
\int \frac{2}{x^2+3}dx\\
&=&
\log |x-4|+\frac{5}{x-4}-\frac{1}{2}\log |x^2+3|+\frac{2}{\sqrt{3}}\tan^{-1}(\frac{x}{\sqrt3})
\end{eqnarray}\]

練習問題④

以下の分数関数の積分を求めましょう。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^3+10x^2+3x+36}{(x-1)(x^2+4)^2}dx
\end{eqnarray}\]

これを部分分数分解していくと次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
\frac{x^3+10x^2+3x+36}{(x-1)(x^2+4)^2}
=
\frac{A}{x-1}
+
\frac{Bx+C}{x^2+4}
+
\frac{Dx+E}{(x^2+4)^2}
\end{eqnarray}\]

\[\begin{eqnarray}
x^3+10x^2+3x+36
&=&
A(x^2+4)^2+(Bx+C)(x-1)(x^2+4)+(Dx+E)(x-1)\\
&=&
(A+B)x^4+(C-B)x^3+(8A+4B-C+D)x^2+(-4B+4C-D+E)x+16A-4C-E
\end{eqnarray}\]

\[\begin{eqnarray}
A+B&=&0\\
C-B&=&1\\
8A+4B-C+D&=&10\\
-4B+4C-D+E&=&3\\
16A-4C-E&=&36
\end{eqnarray}\]

\[\begin{eqnarray}
A=2, \ B=-2, \ C=-1, \ D=1, \ E=0
\end{eqnarray}\]

定数を代入して置換積分の公式で積分を求めます。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^3+10x^2+3x+36}{(x-1)(x^2+4)^2}dx
&=&
\int \frac{2}{x-1}dx
+
\int \frac{-2x-1}{x^2+4}dx
+
\int \frac{x}{(x^2+4)^2}dx\\
&=&
\int \frac{2}{x-1}dx

\int \frac{2x}{x^2+4}dx

\int \frac{1}{x^2+4}dx
+
\int \frac{x}{(x^2+4)^2}dx\\
&=&
2\log|x-1|

\log|x^2+4|

\frac{1}{2}\tan^{-1}(\frac{x}{2})

\frac{1}{2}\frac{1}{x^2+4}
\end{eqnarray}\]

注2:
ここまでは分母の方が分子よりも次数が大きい場合を見てきました。もちろん、すべての分数関数がこの条件を満たすわけではありません。それでは、この条件を満たさない分数関数の場合はどのようにすれば良いのでしょか。以下の練習問題⑤と練習問題⑥では、このケースについて解説しています。

練習問題⑤

以下の分数関数の積分を求めましょう。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^4-5x^3+6x^2-18}{x^3-3x^2}dx
\end{eqnarray}\]

これは分子の次数が4で分母の次数が3のため、このままでは部分分数分解を行うことはできません。この場合は、以下のように、実際に分数の割り算を行って、部分分数分解が可能なかたちに持っていく必要があります(普通に割り算の筆算で導き出します)。

\[\begin{eqnarray}
\frac{x^4-5x^3+6x^2-18}{x^3-3x^2}
&=&
\frac{x(x^3-3x^2)}{x^3-3x^2}

\frac{2(x^3-3x^2)}{x^3-3x^2}

\frac{18}{x^3-3x^2}
\\
&=&
x-2-\frac{18}{x^3-3x^2}
\end{eqnarray}\]

ここまで分解すると、積分式は次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^4-5x^3+6x^2-18}{x^3-3x^2}dx
&=&
\int xdx – \int 2 dx – \int \frac{18}{x^3-3x^2}dx\\
\end{eqnarray}\]

一つ目と二つ目の積分はとても簡単に求められますので、このうち最後の積分に注目して、これの部分分数分解を行います。次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{18}{x^2(x-3)}dx
&=&
\frac{A}{x}
+
\frac{B}{x^2}
+
\frac{C}{x-3}
\end{eqnarray}\]

\[\begin{eqnarray}
18=Ax(x-3)+B(x-3)+Cx^2
\end{eqnarray}\]

これに \(x=0, \ 3 , \ 1\) を代入して計算すると、\(A=-2, \ B=-6, \ C=2\) と定数が導き出されます。後は、これらを使って積分を求めるだけです。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^4-5x^3+6x^2-18}{x^3-3x^2}dx
&=&
\int xdx – \int 2 dx – \int \frac{18}{x^3-3x^2}dx\\
&=&
\frac{1}{2}x^2-2x+2\log|x|-\frac{6}{x}-2\log|x-3|
\end{eqnarray}\]

練習問題⑥

以下の分数関数の積分を求めましょう。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^2}{x^2-1}dx
\end{eqnarray}\]

これは分母と分子の次数が同じパターンです。この場合もまずは割り算の筆算を行う必要があります。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^2}{x^2-1}dx
&=&
\int 1dx
+
\int \frac{1}{x^2-1}dx
\end{eqnarray}\]

これで部分分数分解を行います。

\[\begin{eqnarray}
\frac{1}{(x-1)(x+1)}
=
\frac{A}{x-1}+\frac{B}{x+1}
\end{eqnarray}\]

続いてこれらの定数 \(A,B\) を求めます。

\[\begin{eqnarray}
1=A(x+1)+B(x-1)
\end{eqnarray}\]

\[\begin{eqnarray}
A=\frac{1}{2}, \ B=-\frac{1}{2}
\end{eqnarray}\]

そして置換積分で積分を求めます。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{x^2}{x^2-1}dx
&=&
\int 1dx
+
\int \frac{\frac{1}{2}}{x-1}dx

\int \frac{\frac{1}{2}}{x+1}dx\\
&=&
x+\frac{1}{2}\log|x-1|

\frac{1}{2}\log|x+1|
\end{eqnarray}\]

3. 補足

分母の二次方程式の解が虚数解を持つとき(\(eg: \ x^2+1=0\))、その分数関数の積分は以下のようになります。

\[\begin{eqnarray}
&(1)& \int \frac{1}{x^2+a^2}=\frac{1}{a}\tan^{-1}(\frac{x}{a})\\
&(2)& \int \frac{x}{x^2+a^2}=\frac{1}{2}\log(x^2+a^2)
\end{eqnarray}\]

「虚数解」と聞くと難しそうですし、公式自体も一見すると複雑に見えますが、実際は全くそんなことありません。ここまで読まれた方なら、一瞬で理解することができます。なぜなら、これらも結局は置換積分をストレートに適用しているだけだからです。

まず、\((1)\) は、\(x=at\) と置くと \(\frac{dt}{dx}=a, \ dx=adt\) となり、これで置換積分をすることで求められます。

\[\begin{eqnarray}
\int \frac{1}{x^2+a^2}dx
&=&
\int \frac{1}{(at)^2+a^2}adt\\
&=&
\frac{1}{a}\int\frac{dt}{t^2+1}\\
&=&
\frac{1}{a}\tan^{-1}t\\
&=&
\frac{1}{a}\tan^{-1}(\frac{x}{a})
\end{eqnarray}\]

\((2)\) はまさに冒頭の公式から導出できます。

\(f(x)=x^2+a^2\) なので、\(f^{\prime}(x)=2x\) となります。そのため、\(\int\frac{x}{x^2+a^2}\) は\(\frac{1}{2}\int \frac{f^{\prime}(x)}{f(x)}\) であるということになります。

4. 分数関数の積分まとめ

以上が分数関数の積分です。

分数関数の積分は、なかなかスッキリと解説しているものがなく、複雑なもののように感じてしまいます。しかし、単に、置換積分と部分分数分解だけで解くことができるのです。この点をしっかりと押さえておきましょう。

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