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微分とは?その意味をアニメーションでわかりやすく解説

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微分とは、簡単に言うと「ある事象の瞬間的な変化率(=接線)」を観察することです。または「瞬間的な変化率のグラフを得ること」です。なお以下の画像で、ある事象を青線で、瞬間的な変化率を赤線で、変化率のグラフを緑線で表しています。

しかし、これだけでは中々わかりにくいと思いますので、これから微分とは何かという点について、アニメーションを使いながらわかりやすく解説していきます。

ぜひ、楽しみながらご覧頂ければと思います。

目次

  • 1. 微分の意味
    • 1.1. 変化率とは何か
    • 1.2. 瞬間の変化率とは何か
    • 1.3. 微分とは物事の細部を知ること
  • 2. 微分をグラフで理解
    • 2.1. 変化率とは2点を結ぶ直線の傾き
    • 2.2. 瞬間の変化率とは接線の傾き
    • 2.3. 微分とは変化率のグラフを得ること
  • 3. 微分とは?のまとめ

1. 微分の意味

冒頭でお伝えした通り、微分とは、一言でいうと「瞬間の変化率」です。この意味をしっかりと理解するために、以下のアニメーションで示している、点Aから点Bへと10秒かけて移動する点Pについて考えていきましょう。なお、わかりやすくするためにAB間の距離は100メートルとします。

ご覧のように、点Pは最初の数秒はわずかしか移動しませんが、少しずつ加速していき、最高速度に達したら、今度は減速しながら点Bに到達します。これからこの点Pを使って、「瞬間の変化率」とは何かを解説していきます。

ところで、よく見ると「瞬間の変化率」は、“瞬間”という言葉と、“変化率”という言葉の2つが組み合わさっています。そこで、“瞬間”と“変化率”に分けて見ていきましょう。

このように言葉を部分ごとに分けて、それぞれの言葉に対する理解を個別に深めることで、「瞬間の変化率(=微分)」が、とてもよくわかるようになります(実は、このように物事を細部に分けて観察するというアプローチこそが微分です)。

というわけで、まずは“変化率”について見ていきたいと思います。

1.1. 変化率とは何か

“変化率”とはなんでしょうか。これは読んで字のごとく、「何らかの現象がどのぐらい変化したか」の度合いです。

点Pに対して起きている変化は、距離(位置)の変化ですね。そして、その距離(位置)が変化している間、もう一つ変化しているものがあります。それは時間です。当たり前のことですが、時間がまったく進んでいないなら、何も変化するものはありません。

そういうわけで、点Pの変化率は次のように計算することができます。

\[
変化率=\frac{距離の変化}{時間の変化}=\frac{移動後の位置−移動前の位置}{移動後の時間−移動前の時間}
\]

分子がメートル(\(\rm m\))で、分母が時間(\(\rm s\))なので、この計算の結果は速度(\(\rm m/s\))になります。つまり点Pの変化率とは、その速度なのです。

例えば、点Pの位置は10秒で100メートル右に変化しています。そのため、この10秒間の点Pの変化率は次のようになります。

0秒から10秒の間の変化率

\[\dfrac{(100-0)\mathrm{m}}{(10-0)\mathrm{s}}=\dfrac{100\mathrm{m}}{10\mathrm{s}}=10.0\mathrm{m/s}\]

また、5秒から6秒の間の変化率は次のようになります。

5秒から6秒の間の変化率

\[\dfrac{(73.4-50.0)\mathrm{m}}{(6-5)\mathrm{s}}=\dfrac{23.4\mathrm{m}}{1\mathrm{s}}=23.4\mathrm{m/s}\]

全体では、点Pの位置は10秒で100メートル移動しているので、その間の変化率は\(10.0\mathrm{m/s}\)です。そして5秒から6秒の間では、1秒で23.4メートル移動しているので、その間の変化率は\(23.4\mathrm{m/s}\)というわけです。このように点Pの変化率は、どの時間かによって異なります。

さて、ここまでは秒単位での変化率を計算してきました。そのため、これらは「秒間の変化率」だと言えます。それでは「瞬間の変化率」とはなんでしょうか。次に、この点について見ていきましょう。

1.2. 瞬間の変化率とは何か

これは簡単です。瞬間というのは、「きわめて短い時間」という意味なので、時間の変化を限りなく小さくした時の点Pの変化率を見てみれば良いのです。

そこで、これまでは1秒単位で見て来ましたが、ここで0.1秒単位での変化率を見てみましょう。例えば5秒から5.1秒の間の変化率は次のようになります。

5秒から5.1秒の間の変化率

\[\dfrac{(52.5318-50.0)\mathrm{m}}{(5.1-5)\mathrm{s}}=\dfrac{2.5318\mathrm{m}}{0.1\mathrm{s}}=25.318\mathrm{m/s}\]

次は時間の変化を小さくしてみましょう。5秒から5.01秒の間の変化率は次の通りです。

5秒から5.01秒の間の変化率

\[\dfrac{(50.25338-50.0)\mathrm{m}}{(5.01-5)\mathrm{s}}=\dfrac{0.25338\mathrm{m}}{0.01\mathrm{s}}=25.338\mathrm{m/s}\]

さらに次は時間変化をうんと縮めて、5秒から5.0000000001秒までの変化を見てみましょう。

5秒から5.0000000001秒の間の変化率

\[\dfrac{(50.0000000025339-50.0)\mathrm{m}}{(5.0000000001-5)\mathrm{s}}=\dfrac{0.0000000025339\mathrm{m}}{0.0000000001\mathrm{s}}=25.339\mathrm{m/s}\]

こうして、どんどん時間の変化を小さくしていけば、どんどん“瞬間”に近づいていきます。そして、時間の変化が“瞬間”に近づけば近づくほど、“変化率(=速度)”は、ある一つの値に近づいて行きます。その“ある一つの値”こそが5秒時点での点Pの「瞬間の変化率」です。

1.3. 微分とは物事の細部を知ること

さて、ここまでは5秒時点での「瞬間の変化率」を見てきましたが、同じやり方で任意の \(x\) 秒時点での「瞬間の変化率」を好きなように求めることができます。

つまり微分とは「ある現象の中のほんの小さな任意の一部分(=瞬間)を切り取って、その一部分(=瞬間)における変化を知る」ということなのです。ここまでの例の場合では、点Pのある一瞬間の動きを、より細かく知ろうとしているわけですね。言い換えれば、マクロな現象の中の非常に小さなミクロの部分の現象を知ろうとするためにおこなう行為が微分です。

ポイント
微分とは「ある現象のほんの小さな一部分を切り取って、その一部分における変化を知る」ということ。言い換えると、あるマクロな現象の中のミクロな現象を観察するということ。

2. 微分をグラフで理解

ここからは微分というものを、もっと直観的に理解するために、グラフを使って視覚的に解説していきたいと思います。微分を視覚的に把握しておくことには、次のような様々なメリットがあります。

  • 定義(文字)に頼らずに微分を直観的に理解できる。
  • 微分の様々な公式を直感的に理解できる。
  • 数学を実務に活用するときに創造的に考えられるようになる。

とうわけで、上で使った点Pの動きをグラフに置き換えて考えていきましょう。早速、以下のアニメーションをご覧ください。これは点Pの動きをグラフに置き換えたものです。

まず、このグラフの見方を説明します。

このグラフの縦軸は点Pの移動距離を示しており、横軸は時間を示しています。そして、ある時間における点Pの移動距離は、その時間から青い曲線に向かって垂直に伸びる黄色い点線の長さと同じになります。このことから、青い曲線の角度が急な場所ほど点Pは速く動いており、反対に角度が浅いほど点Pはゆっくり動いていることがわかります。

それでは、このグラフを使って、あらためて「瞬間の変化率」とは何を表しているものなのかを視覚的に確認していきましょう。

2.1. 変化率とは2点を結ぶ直線の傾き

まずは“変化率”から見ていきましょう。

点Pの“変化率”とは、ある時間とある時間の間の点Pの速度でしたね。これは視覚的には、曲線上の2点を結ぶ直線の傾きと同じになります。

例として以下のアニメーションでは、3秒から5秒の間の変化率(=速度)と、5秒から6秒の間の変化率(=速度)を示しています。なお距離の変化は \(y\) 軸方向の変化なので \(dy\) 、時間の変化は \(x\) 軸方向の変化なので \(dx\) としています。

このように縦軸の変化 \(dy\) を横軸の変化 \(dx\) で割ると、その区間の点Pの変化率(=速度 \(\mathrm{m/s}\))を求めることができます。

つまり、変化率とは、視覚的には2点を結ぶ直線の傾きのことなのです。

2.2. 瞬間の変化率とは接線の傾き

さて、それでは“瞬間の変化率”は、視覚的には何を意味するものなのでしょうか。先ほど見てきたように「瞬間」とは、時間の変化 \(dx\) が限りなくゼロに近いという意味の言葉です。そこでグラフ上で時間の変化 \(dx\) を実際にゼロに近づけてみましょう。

以下のアニメーションをご覧ください。

このように時間の変化 \(dx\) を限りなくゼロに近づけると、2点を結ぶ直線は、曲線上のある一点に対して平行に接する線(=接線、またはタンジェント・ライン)に限りなく近づいていきます。つまり瞬間の変化率とは、視覚的には、曲線上のある一点に対する接線の傾きのことなのです。

例えば、このアニメーションの場合では5秒地点の接線は \(y\approx 25.339x\) です。そして、この傾きの係数 \(25.339\) が点Pの5秒地点での瞬間の変化率(=瞬間の速度)です。

もちろん、このグラフのあらゆる点で傾きは異なります。例えば、1秒の時点では \(y\approx 1.790x\) になりますし、7秒の時点では \(y\approx 10.642x\) になります。

2.3. 微分とは変化率のグラフを得ること

さて、ここまでで「瞬間の変化率」は視覚的には、任意の一点に対する接線の傾きであることがわかりました。そして、各時点での接線の傾きをグラフにすると、点Pの変化率(=速度)のグラフを得ることができます。

早速、以下のアニメーションをご覧ください。各時点での接線の傾き(変化率)をピンクの直線で示しており、その変化率の推移を緑の曲線で示しています。

このように微分をすると、「変化率のグラフを得ること」を得ることができるのです。もちろん、以下のアニメーションで示しているように、点Pの動きが違えば、微分によって得られるグラフの形も異なります。

あるものごとの全体像を見ただけで、こうした変化率の推移を把握することは難しいですが、微分を使うと、その変化率を視覚的に簡単に把握できるようになるのですね。

このように、微分とは、やはりあるものごとの細部をより詳しく知るための技術なのです。

ポイント
視覚的には、瞬間の変化率とは「曲線上のある一点に対する接線の傾き」のこと。そして微分とは、瞬間の変化率のグラフを得ること。

コラム:微分の有用性を別視点から解説
微分とは「ある現象のほんの小さな一部分(瞬間)を切り取って、その一部分(瞬間)を観察することである」ということをお伝えしました。なぜわざわざそんなことをするのでしょうか。その理由は、全体の小さな一部分に注目することで、物事をシンプルに捉えることができるようになるからです。

私たち人間は、ある複雑な物事の全体を眺めるだけでは、基本的には何も理解することができません。そこで、複雑な物事を理解できる小さい単位に分けて考えるというやり方をします。例えば、全ての学問は密接に関連しあっているのですが、それを学ぶ時には、より小さな学問単位に分けて一つずつ修めていくのも、そのためです。数学で言っても、まずは足し算、次に引き算、そして掛け算・割り算というように部分ごとに学んで行きますね。こうしたアプローチがまさに微分なのです。

そして、この微分のアプローチは、私たちの学習だけに留まらず、機械学習(AI)やディープラーニングにとっても欠かすことはできない重要な概念です。

例えば、ここまで見てきたように、微分とは瞬間の変化率であり、ある時点での接線の傾きのことです。そして接線は常に直線です。ということは、どれだけ複雑な曲線だとしても、それを瞬間で捉えれば、無数の異なる直線の集合だと考えることができます。

そうすれば、複雑な曲線の世界(非線形空間)を、単純な直線の世界(線形空間)で考えられるようになります。そうすることで、どれだけ複雑なものだったとしても、私たち人間やコンピュータにとって理解可能なものに変換することができるのですね。

3. 微分とは?のまとめ

以上が微分です。

まとめると、微分とは「瞬間の変化率」のことであり、微分をすることによって、ある時点での変化率を求めることができるのです。そして、視覚的には、微分とは、曲線上のある一点に対する接線の傾きであり、微分をすることによって、その傾きのグラフ(=関数)を得ることができます。

これは言い換えると、ある事象全体の中から、ごく小さな一部分を切り取って観察するということを意味します。

最初はなんだかよくわからないものに感じるかもしれませんが、このように理解しておくと、学習が進んでいくごとに、より深く落とし込むことができるようになっていきます。そのため、ぜひ、ここでの内容をしっかりと覚えておいて頂ければと思います。

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Filed Under: 微分

moriyama

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