行列式とは?誰でも理解できるようにわかりやすく解説

行列式の意味と定義と求め方ー行列式とは何かということがアニメーションで驚くほどよくわかる。

行列式は、線形代数において必ずお世話になる計算式であり、様々なことを表す非常に便利な指標です。しかし、教科書を見てみると、「線型変換によって空間の体積要素が何倍に変わるかという概念を抽象化したもの」というように定義されており、なかなか字面だけでは理解することが困難です。

そこで、このページでは行列式を深く理解するための第一歩として、「行列式とは何か?」ということをアニメーションを使って驚くほどよくわかるように解説していきます。

今まで、何なのかよくわからずに計算ばかりしていたという方でも、行列式というものに初めて触れるという方でも、必ず簡単に理解することができます。

それでは始めましょう。

目次

1. 行列式とは何か

早速、行列式の意味と定義について誰にでもわかるように解説します。ここで出てくるアニメーションをご覧いただければ、誰でも必ずはっきりと理解できるようになります。

まずは、線形変換で空間は拡大・縮小するというところから解説を始めたいと思います。

1.1. 線形変換で空間は拡大・縮小する

線形変換においては、基底ベクトルの行先(=行列の各列)を追えば、行列を見ただけで空間がどう変化するのかを具体的にイメージすることができるようになるということは、『線形変換とは?誰でも必ず理解できるようにアニメーションで解説』の記事でお伝えしました。

そして、もう一つ別の角度から空間の変化をイメージするための方法があります。これについてお話しする前に、まずは以下の短いアニメーションをご覧ください。

このように、二次元空間で線形変換を行うと、ある行列は面積を引き伸ばしたり、また別の行列は面積を縮小したりすることに気付きます。

1.2. 行列式は空間の拡大倍率の値

以上のように線形変換によって空間が何倍かになるのであれば、行列を見ただけでその倍数が分かったとしたら、私たちは線形変換をもっと正確にイメージできるようになります。

そして、そのためのツールこそが「行列式」です。早速、以下のアニメーションをご覧ください。行列式がどのようなものであるかをハッキリと理解することができます。

このように行列式は、線形変換後に空間が何倍になるのかを明らかにしてくれるものなのです。

ここで、「空間」についても触れておきましょう。 \(2×2\) の場合は、二次元空間(平面空間)なので、行列式は面積の拡大倍率を表します。\(3×3\) の場合は三次元空間(立体空間)なので、行列式は体積の拡大倍率を表します。

参考に、以下のアニメーションは三次元空間で、線形変換によって単位立方体の体積が変化する様子を描いているので、ぜひご確認ください。

なお、行列式の値はマイナスになったり、ゼロになったりすることもあります。

行列式の値がマイナスの場合、その絶対値は変わらず空間の拡大倍率を表しています。そしてマイナスの符号は、基底ベクトルの一方が他方を追い越して空間の表裏が反転したことを表しています(一枚の紙の表裏が入れ替わった様をイメージしてください)。

これを理解しておくと、ベクトルの外積が多少わかりやすくなります。

さらに以下のアニメーションで見られるように行列式の値はゼロになることもあります。

このように行列式の値がゼロになるのは特殊な例であり、これによってあること・・・・がわかるようになっています。これについては『逆行列とは何か?その求め方・条件・性質の徹底解説』をご確認ください。

1.3. 行列と行列式の違い

行列と行列式の違いについても触れておきましょう。

まず行列式には、いくつかの表記方法があります。行列を \(A\) としたら、行列式には “\(\mathrm{determinant}\)” を表す \(\mathrm{det}\) をつけて、\(\mathrm{det}A\) と表したり、行列を絶対値記号 \(|\) で囲んで \(\hspace{3mm} |A|\) と表したりします。

たとえば以下のように書きます。左が行列で右が行列式です。

\[
A=
\left[ \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right]
,\hspace{5mm}
\mathrm{det}A
=
|A|
=
\left| \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right|
\]

そして行列は空間を線形変換するための関数(写像)であり数の並びです。一方で行列式は、空間が何倍になるのかを示す単一の値(スカラー)です。

ここまでのポイントまとめ
行列式とは、線形変換後に空間が何倍になるかを明らかにする計算式のこと。空間とは二次元空間(平面空間)なら面積であり、三次元空間(立体空間)なら体積のことである。そのため行列式は行列ではなく、倍数を示す単一の値(スカラー)である。

2. 行列式の求め方

それでは、数字から行列式の値を求める方法を見ていきましょう。ここでは二次行列式と、三次行列式の求め方について覚えることにしましょう。

2.1. 行列式のサラスの公式

結論から言うと、 \(2×2\) と \(3×3\) の行列式は次のように計算します。

\(2×2\) の行列式の公式

\[
\mathrm{det}A
=
\left| \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right|
=ad-bc
\]

計算例を確認する

たとえば以下の行列式は、次のように計算します。

\[
\left| \begin{array}{cc} 3 & 2 \\ 0 & 2 \end{array} \right|
=
3\cdot 2-2\cdot 0
=
6
\]

これは空間の面積が \(6\) 倍になることを示しています。

そして \(3×3\) の行列式は次のように計算します。

\(3×3\) の行列式の公式

\[\begin{eqnarray}
\mathrm{det}A
=
\left| \begin{array}{ccc} a & b & c\\ d & e & f \\ g & h & i \end{array} \right|
& = &
a \cdot \left| \begin{array}{cc} e & f \\ h & i \end{array} \right|
-b \cdot \left| \begin{array}{cc} d & f \\ g & i \end{array} \right|
+c \cdot \left| \begin{array}{cc} d & e \\ g & h \end{array} \right| \\
&=&
a(ei-fh)-b(di-fg)+c(dh-eg)
\end{eqnarray}\]

計算例を確認する

たとえば以下の行列式は、このように計算します。

\[\begin{eqnarray}
\mathrm{det}A
=
\left| \begin{array}{ccc} 3 & 2 & 1\\ 1 & 2 & 1 \\ 2 & 2 & 2 \end{array} \right|
& = &
3 \cdot \left| \begin{array}{cc} 2 & 1 \\ 2 & 2 \end{array} \right|
-2 \cdot \left| \begin{array}{cc} 1 & 1 \\ 2 & 2 \end{array} \right|
+1 \cdot \left| \begin{array}{cc} 1 & 2 \\ 2 & 2 \end{array} \right| \\
&=&
3(2\cdot 2 -1 \cdot 2)-2(1 \cdot 2 -1 \cdot 2)+1(1 \cdot 2 -2 \cdot 2)\\
&=&
3(2)-2(0)+1(-2)\\
&=&4
\end{eqnarray}\]

これは空間の体積が \(4\) 倍になることを示しています。

実際に手計算を行うときは以下のアニメーションで示しているように、たすき掛けをすると覚えておくと良いでしょう。この覚え方を「サラスの公式」といいます。

ぜひ色々な行列式の値を実際に計算してみてください。慣れれば、行列を見ただけで、ある程度イメージできるようになっていきます。そこまで習熟できれば理想的です。

2.2. 行列式の求められ方

さて、上で見たように、行列式を使えば、ある行列で線形変換したときに空間が何倍になるのかを計算することができます。それでは、なぜこの計算方法で、空間の倍数がわかるのでしょうか。

\(2×2\) の行列式で考えてみましょう。

\[
\mathrm{det}A
=
\left| \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right|
\]

まず、この行列式の \(a\) は基底ベクトル \(\hat{\imath}\) が \(x\) 軸方向に何倍になるかを示しています。そして \(d\) は基底ベクトル \(\hat{\jmath}\) が \(y\) 軸方向に何倍になるかを示しています。そして、\(b\) と \(c\) はざっくりと言うと、平行四辺形が対角線軸方向にどれだけ拡大・縮小するかを示しています。

言葉で言うとこんがらがってしまいそうですが、以下のアニメーションで確認していただくとすんなりと理解することができます。

いかがでしょうか。行列式はこのように求められているのですね。

\(3×3\) の行列式の場合も考え方はまったく同じです。幾何学的にアニメーションで表すのは大変なので割愛しますが、線形変換後の立体の体積を計算しているのと全く同じ計算方法になっています。

2.3. 行列式の練習問題

それでは、最後に行列式の練習問題を載せておきます。ぜひ一度は解いてみてください。

なお、『2×2, 3×3, 4×4 の行列式の計算方法』では、4次以上の行列式の計算方法も確認することができます。興味のある方はぜひご覧ください。

【練習問題】2次行列式①

問題:以下の行列の行列式を求めよ。

\[\begin{eqnarray}
\left[ \begin{array}{cc} 1 & 3 \\ -2 & 1 \end{array} \right]
\end{eqnarray}\]

解答

\[\begin{eqnarray}
\left| \begin{array}{cc} 1 & 3 \\ -2 & 1 \end{array} \right|
&=& 1\cdot1-3\cdot(-2)\\
&=& 1+6\\
&=&7
\end{eqnarray}\]

解説

これは、この行列で線形変換をした場合、空間の面積が7倍になることを示しています。

【練習問題】2次行列式②

問題:以下の行列の行列式を求めよ。

\[\begin{eqnarray}
\left[ \begin{array}{cc} 2 & 0 \\ -2 & -1 \end{array} \right]
\end{eqnarray}\]

解答

\[\begin{eqnarray}
\left| \begin{array}{cc} 2 & 0 \\ -2 & -1 \end{array} \right|
&=& 2\cdot(-1)-0\cdot(-2)\\
&=& -2+0\\
&=&-2
\end{eqnarray}\]

解説

このように行列式の値はマイナスになることもあります。マイナスがある場合は、基底ベクトルの位置が入れ替わって空間が反転していることを表しています。値そのものが線形変換後の空間の倍数を示すことは変わりません。

【練習問題】2次行列式③

問題:以下の行列の行列式を求めよ。

\[\begin{eqnarray}
\left[ \begin{array}{cc} 1 & 2 \\ 1 & 2 \end{array} \right]
\end{eqnarray}\]

解答

\[\begin{eqnarray}
\left| \begin{array}{cc} 1 & 2 \\ 1 & 2 \end{array} \right|
&=& 1\cdot2-2\cdot1\\
&=& 2-2\\
&=&-0
\end{eqnarray}\]

解説

このように行列式の値はゼロになることもあります。具体的には、行列式の中に値が同じ行または列がある場合にそうなります。

行列式の値がゼロということは、その行列には逆行列が存在しないことを意味します。これについては『逆行列の条件の徹底解説~逆行列が存在しないのはどういう場合?~』で解説しています。

【練習問題】3次行列式①

問題:以下の行列の行列式を求めよ。

\[\begin{eqnarray}
\left[ \begin{array}{cc}
1 & -3 & 1\\
-2 & 1 & 0 \\
2 & 1 & -2
\end{array} \right]
\end{eqnarray}\]

解答

サラスの方法によって次のように解くことができます。

\[\begin{eqnarray}
\left| \begin{array}{cc}
1 & -3 & 1\\
-2 & 1 & 0 \\
2 & 1 & -2
\end{array} \right|
&=&
(1\cdot1\cdot-2)+ (-3\cdot0\cdot2) + (1\cdot-2\cdot1)
– (-3\cdot-2\cdot-2) – (1\cdot0\cdot1)-(1\cdot1\cdot2)\\
&=& -2+0-2+12-0-2\\
&=&6
\end{eqnarray}\]

解説

これは、この行列で線形変換を行うと空間の体積が6倍になることを示しています。

【練習問題】3次行列式②

問題:以下の行列の行列式を求めよ。

\[\begin{eqnarray}
\left[ \begin{array}{cc}
1 & 3 & 1\\
2 & 1 & 0 \\
1 & 1 & 2
\end{array} \right]
\end{eqnarray}\]

解答

サラスの方法により次のように解くことができます。

\[\begin{eqnarray}
\left| \begin{array}{cc}
1 & 3 & 1\\
2 & 1 & 0 \\
1 & 1 & 2
\end{array} \right|
&=&
(1\cdot1\cdot2 )+ (3\cdot0\cdot1) + (1\cdot2\cdot1)
– (3\cdot2\cdot2) – (1\cdot0\cdot1)-(1\cdot1\cdot1)\\
&=& 2+0+2-12-0-1\\
&=&-9
\end{eqnarray}\]

解説

これは、この行列で線形変換をした場合、空間の体積が9倍になることを示しています。値がマイナスになっていてもこの点は変わりません。マイナス符号は、各基底ベクトルがお互いに追い越して、空間が反転したことを意味しています。

【練習問題】3次行列式③

問題:以下の行列の行列式を求めよ。

\[\begin{eqnarray}
\left[ \begin{array}{cc}
1 & 3 & 2\\
2 & 1 & 4 \\
1 & 1 & 2
\end{array} \right]
\end{eqnarray}\]

解答

サラスの方法により次のように解くことができます。

\[\begin{eqnarray}
\left| \begin{array}{cc}
1 & 3 & 2\\
2 & 1 & 4 \\
1 & 1 & 2
\end{array} \right|
&=&
(1\cdot1\cdot2 )+ (3\cdot4\cdot1) + (2\cdot2\cdot1)
– (3\cdot2\cdot2) – (1\cdot4\cdot1)-(2\cdot1\cdot1)\\
&=& 2+12+4-12-4-2\\
&=&-0
\end{eqnarray}\]

解説

このように行列式の中に値が同じ行(列)、もしくは単純にある行(列)を定数倍しただけの別の行(列)がある場合は行列式の値はゼロになります。これについては『行列式の公式(性質)~必ず抑えておきたいもの7つ~』で解説しています。

行列式の値がゼロということは、その行列には逆行列が存在しないことを意味します。これについては『逆行列の条件の徹底解説~逆行列が存在しないのはどういう場合?~』で解説しています。

3. 行列式の性質

3.1. 転置行列の行列式

ある行列 \(A\) の行列式の値と、その転置行列 \(A^{T}\) の行列式の値は同じになります。

\[
\mathrm{det}A=\mathrm{det}A^T
\]

以下のアニメーションをご覧いただくと、両者が同じであることを幾何学的にイメージできるようになります。

式で確認したい方は、以下のボックスをクリックしてください。

二次行列の場合を式で確認する

二次行列 \(A\) があるとき、\(|A|\) と \(|A^T|\) の値は同じになることがわかります。

\[\begin{eqnarray}
A&=&\left[ \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right],
\hspace{4mm}
|A|=ad-bc \\
A^T&=&\left[ \begin{array}{cc} a & c \\ b & d \end{array} \right],
\hspace{4mm}
|A^T|=ad-cb
\end{eqnarray}\]

三次行列の場合を式で確認する

以下のように、三次行列でもやはり、\(|A|\) と \(|A^T|\) は同じになることがわかります。\(A\) は第一行について展開しており、\(|A^T|\) は第一列について展開しています(行列式の展開方法については「余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~」をご確認ください)

\[\begin{eqnarray}
A&=&\left[ \begin{array}{cc}
a & b & c \\
d & e & f \\
g & h & i
\end{array} \right],
\hspace{4mm}
|A|=a(ei-hf)-b(di-gf)+c(dh-ge)\\
A^T&=&\left[ \begin{array}{cc}
a & d & g \\
b & e & h \\
c & f & i
\end{array} \right],
\hspace{4mm}
|A^T|=a(ei-fh)-b(di-fg)+c(dh-eg)\\
\end{eqnarray}\]

3.2. 行列式の掛け算

行列 \(A\) と \(B\) の積の行列式の値 \(\mathrm{det}(AB)\)と、行列式 \(\mathrm{det}A\) と \(\mathrm{det}B\) の積 \(\mathrm{det}A\mathrm{det}B\) は同じになります。

\[
\mathrm{det}(AB)=\mathrm{det}A\mathrm{det}B
\]

以下のアニメーションで視覚的に確認することができます。

式で確認したい方は、以下のボックスをクリックしてください。

二次行列の場合を式で確認する

まず、行列の積 \(AB\) は次の通りです。

\[\begin{eqnarray}
AB
&=&
\left[ \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right]
\left[ \begin{array}{cc} e & f \\ g & h \end{array} \right]
=
\left[ \begin{array}{cc} ae+bg & af+bh \\ ce+dg & cf+dh \end{array} \right]
\end{eqnarray}\]

この \(AB\) の行列式は次の通りです。

\[\begin{eqnarray}
|AB|
&=&
\left| \begin{array}{cc} ae+bg & af+bh \\ ce+dg & cf+dh \end{array} \right|\\
&=&
(ae+bg)(cf+dh)-(af+bh)(ce+dg)\\
&=&
adeh-adfg-bceh+bcfg
\end{eqnarray}\]

次に、\(|A|\) と \(|B|\) はそれぞれ次の通りです。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right|
=ad-bc\\
|B|
&=&
\left| \begin{array}{cc} e &f \\ g & h \end{array} \right|
=eh-fg
\end{eqnarray}\]

双方をかけると、\(|AB|\) と同じ値になっていることがわかります。

\[\begin{eqnarray}
|A||B|
&=&
(ad-bc)(eh-fg)\\
&=&
adeh-adfg-bceh+bcfg
\end{eqnarray}\]

この通り、\(|AB|=|A||B|\) です。

三次行列の場合を式で確認する

続いて三次行列式の場合です。

まずは、行列の積 \(AB\) を求めます。

\[\begin{eqnarray}
AB
&=&
\left[ \begin{array}{cc}
a_{11} & a_{12} & a_{13} \\
a_{21} & a_{22} & a_{23} \\
a_{31} & a_{32} & a_{33}
\end{array} \right]
\left[ \begin{array}{cc}
b_{11} & b_{12} & b_{13} \\
b_{21} & b_{22} & b_{23} \\
b_{31} & b_{32} & b_{33}
\end{array} \right]\\
&=&
\left[ \begin{array}{cc}
a_{11}b_{11}+a_{12}b_{21}+a_{13}b_{31}
& a_{11}b_{12}+a_{12}b_{22}+a_{13}b_{32}
& a_{11}b_{13}+a_{12}b_{23}+a_{13}b_{33} \\
a_{21}b_{11}+a_{22}b_{21}+a_{23}b_{32}
& a_{21}b_{12}+a_{22}b_{22}+a_{23}b_{32}
& a_{21}b_{13}+a_{22}b_{23}+a_{23}b_{33} \\
+a_{31}b_{11}+a_{32}b_{21}+a_{33}b_{31}
&a_{31}b_{12}+a_{32}b_{22}+a_{33}b_{32}
&a_{31}b_{13}+a_{32}b_{23}+a_{33}b_{33}
\end{array} \right]

\end{eqnarray}\]

うんざりするほど長いですが、この行列の積の行列式 \(|AB|\)は次のようになります(なお演算はPythonで行っています)

\[|AB|=\\
a_{11} a_{22} a_{33} b_{11} b_{22} b_{33} – a_{11} a_{22} a_{33} b_{11} b_{23} b_{32}-a_{11} a_{22} a_{33} b_{12} b_{21} b_{33} + a_{11} a_{22} a_{33} b_{12} b_{23} b_{31}\\
+ a_{11} a_{22} a_{33} b_{13} b_{21} b_{32} – a_{11} a_{22} a_{33} b_{13} b_{22} b_{31} – a_{11} a_{23} a_{32} b_{11} b_{22} b_{33} + a_{11} a_{23} a_{32} b_{11} b_{23} b_{32}\\
+ a_{11} a_{23} a_{32} b_{12} b_{21} b_{33} – a_{11} a_{23} a_{32} b_{12} b_{23} b_{31} – a_{11} a_{23} a_{32} b_{13} b_{21} b_{32} + a_{11} a_{23} a_{32} b_{13} b_{22} b_{31}\\
– a_{12} a_{21} a_{33} b_{11} b_{22} b_{33} + a_{12} a_{21} a_{33} b_{11} b_{23} b_{32} + a_{12} a_{21} a_{33} b_{12} b_{21} b_{33} – a_{12} a_{21} a_{33} b_{12} b_{23} b_{31}\\
– a_{12} a_{21} a_{33} b_{13} b_{21} b_{32} + a_{12} a_{21} a_{33} b_{13} b_{22} b_{31} + a_{12} a_{23} a_{31} b_{11} b_{22} b_{33} – a_{12} a_{23} a_{31} b_{11} b_{23} b_{32}\\
– a_{12} a_{23} a_{31} b_{12} b_{21} b_{33} + a_{12} a_{23} a_{31} b_{12} b_{23} b_{31} + a_{12} a_{23} a_{31} b_{13} b_{21} b_{32} – a_{12} a_{23} a_{31} b_{13} b_{22} b_{31}\\
+ a_{13} a_{21} a_{32} b_{11} b_{22} b_{33} – a_{13} a_{21} a_{32} b_{11} b_{23} b_{32} – a_{13} a_{21} a_{32} b_{12} b_{21} b_{33} + a_{13} a_{21} a_{32} b_{12} b_{23} b_{31}\\
+ a_{13} a_{21} a_{32} b_{13} b_{21} b_{32} – a_{13} a_{21} a_{32} b_{13} b_{22} b_{31} – a_{13} a_{22} a_{31} b_{11} b_{22} b_{33} + a_{13} a_{22} a_{31} b_{11} b_{23} b_{32}\\
+ a_{13} a_{22} a_{31} b_{12} b_{21} b_{33} – a_{13} a_{22} a_{31} b_{12} b_{23} b_{31} – a_{13} a_{22} a_{31} b_{13} b_{21} b_{32} + a_{13} a_{22} a_{31} b_{13} b_{22} b_{31}
\]

次に、行列式 \(|A|\) と \(|B|\) はそれぞれ次の通りです。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left[ \begin{array}{cc}
a_{11} & a_{12} & a_{13} \\
a_{21} & a_{22} & a_{23} \\
a_{31} & a_{32} & a_{33}
\end{array} \right]
=a_{11}a_{22}a_{33}-a_{11}a_{23}a_{32}-a_{12}a_{21}a_{33}+a_{12}a_{23}a_{31}+a_{13}a_{21}a_{32}-a_{13}a_{22}a_{31}\\
|B|
&=&
\left[ \begin{array}{cc}
b_{11} & b_{12} & b_{13} \\
b_{21} & b_{22} & b_{23} \\
b_{31} & b_{32} & b_{33}
\end{array} \right]
=
b_{11}b_{22}b_{33}-b_{11}b_{23}b_{32}-b_{12}b_{21}b_{33}+b_{12}b_{23}b_{31}+b_{13}b_{21}b_{32}-b_{13}b_{22}b_{31}\\
\end{eqnarray}\]

そして、これらを掛け合わせれば先ほどと同じ値が得られます。

\[|A||B|=\\
a_{11} a_{22} a_{33} b_{11} b_{22} b_{33} – a_{11} a_{22} a_{33} b_{11} b_{23} b_{32}-a_{11} a_{22} a_{33} b_{12} b_{21} b_{33} + a_{11} a_{22} a_{33} b_{12} b_{23} b_{31}\\
+ a_{11} a_{22} a_{33} b_{13} b_{21} b_{32} – a_{11} a_{22} a_{33} b_{13} b_{22} b_{31} – a_{11} a_{23} a_{32} b_{11} b_{22} b_{33} + a_{11} a_{23} a_{32} b_{11} b_{23} b_{32}\\
+ a_{11} a_{23} a_{32} b_{12} b_{21} b_{33} – a_{11} a_{23} a_{32} b_{12} b_{23} b_{31} – a_{11} a_{23} a_{32} b_{13} b_{21} b_{32} + a_{11} a_{23} a_{32} b_{13} b_{22} b_{31}\\
– a_{12} a_{21} a_{33} b_{11} b_{22} b_{33} + a_{12} a_{21} a_{33} b_{11} b_{23} b_{32} + a_{12} a_{21} a_{33} b_{12} b_{21} b_{33} – a_{12} a_{21} a_{33} b_{12} b_{23} b_{31}\\
– a_{12} a_{21} a_{33} b_{13} b_{21} b_{32} + a_{12} a_{21} a_{33} b_{13} b_{22} b_{31} + a_{12} a_{23} a_{31} b_{11} b_{22} b_{33} – a_{12} a_{23} a_{31} b_{11} b_{23} b_{32}\\
– a_{12} a_{23} a_{31} b_{12} b_{21} b_{33} + a_{12} a_{23} a_{31} b_{12} b_{23} b_{31} + a_{12} a_{23} a_{31} b_{13} b_{21} b_{32} – a_{12} a_{23} a_{31} b_{13} b_{22} b_{31}\\
+ a_{13} a_{21} a_{32} b_{11} b_{22} b_{33} – a_{13} a_{21} a_{32} b_{11} b_{23} b_{32} – a_{13} a_{21} a_{32} b_{12} b_{21} b_{33} + a_{13} a_{21} a_{32} b_{12} b_{23} b_{31}\\
+ a_{13} a_{21} a_{32} b_{13} b_{21} b_{32} – a_{13} a_{21} a_{32} b_{13} b_{22} b_{31} – a_{13} a_{22} a_{31} b_{11} b_{22} b_{33} + a_{13} a_{22} a_{31} b_{11} b_{23} b_{32}\\
+ a_{13} a_{22} a_{31} b_{12} b_{21} b_{33} – a_{13} a_{22} a_{31} b_{12} b_{23} b_{31} – a_{13} a_{22} a_{31} b_{13} b_{21} b_{32} + a_{13} a_{22} a_{31} b_{13} b_{22} b_{31}
\]

この通り、\(|AB|=|A||B|\) になります。

3.3. 行列式の和

行列式の任意の行または列が、ある数値の和である場合、その行だけを分解して次のように計算したとしても値は同じになります。以下の式で表している通りです。

\[\begin{eqnarray}
\left| \begin{array}{cc} a_1 + a_2 & b_1+b_2 \\ c & d \end{array} \right|
=
\left| \begin{array}{cc} a_1 & b_1 \\ c & d \end{array} \right|
+
\left| \begin{array}{cc} a_2 & b_2 \\ c & d \end{array} \right|
\end{eqnarray}\]

これを「多重線型性」といいます。以下のアニメーションを見るとイメージしやすいでしょう。

式で確認したい方は、以下のボックスをクリックしてください。

二次行列の場合を式で確認する

まずは行の分解のケースです。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc} a_1 + a_2 & b_1+b_2 \\ c & d \end{array} \right|
=
(a_1+a_2)d-(b_1+b_2)c\\
&\rightarrow&
\left| \begin{array}{cc} a_1 & b_1 \\ c & d \end{array} \right|
+
\left| \begin{array}{cc} a_2 & b_2 \\ c & d \end{array} \right|
=
(a_1d-b_1c)+(a_2d-b_2c)\\
\end{eqnarray}\]

次に列を分解するケースを見てみましょう。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc} a & b_1+b_2 \\ c & d_1+d_2 \end{array} \right|
=
a(d_1+d_2)-(b_1+b_2)c\\
&\rightarrow&
\left| \begin{array}{cc} a & b_1 \\ c & d_1 \end{array} \right|
+
\left| \begin{array}{cc} a & b_2 \\ c & d_2 \end{array} \right|
=
(ad_1-b_1c)+(ad_2-b_2c)\\
\end{eqnarray}\]

三次行列の場合を式で確認する

続いて三次行列式の場合です。まずは行を分解してみましょう。

以下は、第一行について展開しています(行列式の展開方法については「余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~」をご確認ください)

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
a_1+a_2 & b_1+b_2 & c_1+c_2 \\
d & e & f \\
g & h & i
\end{array} \right|
=
(a_1+a_2)(ei-fh)-(b_1+b_2)(di-fg)+(c_1+c_2)(dh-eg)\\
&\rightarrow&
\left| \begin{array}{cc}
a_1 & b_1 & c_1 \\
d & e & f \\
g & h & i
\end{array} \right|
+
\left| \begin{array}{cc}
a_2 & b_2 & c_2 \\
d & e & f \\
g & h & i
\end{array} \right|
=(a_1(ei-fh)-b_1(di-fg)+c_1(dh-eg))+(a_2(ei-fh)-b_2(di-fg)+c_2(dh-eg))\\
\end{eqnarray}\]

このように、これらはまったく同じ値になります。

次に列を分解してみましょう。以下は、第三列について展開しています。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
a & b & c_1+c_2 \\
d & e & f_1+f_2\\
g & h & i_1+i_2
\end{array} \right|
=
(c_1+c_2)(dh-eg)-(f_1+f_2)(ah-bg)+(i_1+i_2)(ae-bd)\\
&\rightarrow&
\left| \begin{array}{cc}
a & b & c_1 \\
d & e & f_1 \\
g & h & i_1
\end{array} \right|
+
\left| \begin{array}{cc}
a & b & c_2 \\
d & e & f_2 \\
g & h & i_2
\end{array} \right|
=(c_1(dh-eg)-f_1(ah-bg)+i_1(ae-bd))+(c_2(dh-eg)-f_2(ah-bg)+i_2(ae-bd))\\
\end{eqnarray}\]

やはり、これらはまったく同じ値になります。

3.4. 行列式の基本変形

ここでは行列式の基本変形に関する性質を解説します。なお基本変形とは、行列に対して行う以下の3つの操作のことです。

  • ある行(または列)と別の行(または列)を入れ替える
  • ある行をスカラー倍する
  • ある行をスカラー倍して別の行に加える

詳しくは『行列の基本変形とは?その幾何学的意味や逆行列との関係の解説』で解説しています。

これらの基本変形を行ったときは、行列式の値の変化にも法則性があります。それぞれ確認していきましょう。

行(または列)の入れ替え

行列式の行か列を奇数回入れ替えると、行列式の値の符号は逆になります。そして偶数回入れ替えると元に戻ります。

これも以下のアニメーションで直感的にイメージすることができるようになります。行または列を \(s\) 回入れ替えたものを \(A^s\) と表しています。

式で確認したい方は、以下のボックスをクリックしてください。

二次行列の場合を式で確認する

まずは二次行列式の場合です。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right|
= ad-bc \\
|A^1|
&=&
\left| \begin{array}{cc} c & d \\ a & b \end{array} \right|
= cb-da = -(ad-bc)
\end{eqnarray}\]

三次行列の場合を式で確認する

続いて三次行列式の場合です。\(A\) は第一行について展開したもの、\(A^1\) は第三行について展開してから \(-\)符号をつけて整理したもの、\(A^2\) は第二行について展開してから \(-\)符号を外して整理したものです(行列式の展開方法については「余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~」をご確認ください)

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
a & b & c \\
d & e & f \\
g & h & i
\end{array} \right|
=
a(ei-hf)-b(di-gf)+c(dh-ge)\\
|A^1|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
g & h & i \\
d & e & f \\
a & b & c
\end{array} \right|
=
a(hf-ie)-b(gf-id)+c(ge-hd)
=
-(a(-hf+ie)-b(-gf+id)+c(-ge+hd))
\\
|A^2|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
g & h & i \\
a & b & c \\
d & e & f
\end{array} \right|
=
-a(hf-ie)+b(gf-id)-c(ge-hd)
=
a(ie-hf)-b(id-gf)+c(hd-ge)
\end{eqnarray}\]

行を奇数回入れ替えたときは行列式の値は変わらず符号のみが逆になっており、偶数回入れ替えたときは符号が元に戻っていることがわかります。なお、上の例ではすべて行を入れ替えましたが、列を入れ替えたときもまったく同じです。

行(または列)のスカラー倍

行列式の行または列を一つスカラー倍したとき、行列式の値もスカラー倍になります。

まずは以下のアニメーションをご確認ください。\(i\) 行目を \(s\) 倍したものを \(A_{[i]*s}\) と表しています。

このように一行目を \(1.5\) 倍しているので、行列式の値も \(1.5\) 倍になっています。式で確認したい方は、以下のボックスをクリックしてください。

二次行列の場合を式で確認する

まずは二次行列式の場合です。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right|
= ad-bc \\
|A_{[1]*2}|
&=&
\left| \begin{array}{cc} 2a & 2b \\ c & d \end{array} \right|
= 2ad-2bc=2(ad-bc)
\end{eqnarray}\]

三次行列の場合を式で確認する

続いて三次行列式の場合です。一つ目は第一行について、二つ目は第二行について展開しています(行列式の展開方法については「余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~」をご確認ください)

\[\begin{eqnarray}
|A_{[1]*2}|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
2a & 2b & 2c \\
d & e & f \\
g & h & i
\end{array} \right|
=
2a(ei-hf)-2b(di-gf)+2c(dh-ge)
=
2(a(ei-hf)-b(di-gf)+c(dh-ge))\\
|A_{[2]*3}|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
a & b & c \\
3d & 3e & 3f \\
g & h & i
\end{array} \right|
=
-3d(bi-ch)+3e(ai-cg)-3f(ah-bg)
=
3(-d(bi-ch)+e(ai-cg)-f(ah-bg))
\end{eqnarray}\]

行(または列)のスカラー倍を別の行に加える

行列式の任意の行(または列)を \(s\) 倍して、別の行(または列)に加えても、行列式の値は変わりません。これは以下のアニメーションですぐに理解することができます。

この計算則を式で確認したい方は、以下のボックスをクリックしてください。

二次行列の場合を式で確認する

まずは2行目に、1行目を2倍したものを加えた行列式を考えてみましょう。次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
|A|
=
\left| \begin{array}{cc} a & b \\ c+2a & d+2b \end{array} \right|
&=&
a(d+2b)-b(c+2a)\\
&=&
ad+2ab-bc-2ab\\
&=&
ad-bc
\end{eqnarray}\]

このように元の行列式の値と同じになります。

次に1列目に、2列目を3倍したものを加えた行列式を考えてみましょう。次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
|A|
=
\left| \begin{array}{cc} a+3b & b \\ c+3d & d \end{array} \right|
&=&
(a+3b)d-b(c+3d)\\
&=&
ad+3bd-bc-3bd\\
&=&
ad-bc
\end{eqnarray}\]

やはり元の行列式の値と同じになります。

三次行列の場合を式で確認する

続いて三次行列式の場合です。

2行目に、1行目を2倍したものを加えた行列式を考えてみましょう。次のようになります。第二行について展開しています(行列式の展開方法については「余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~」をご確認ください)

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
a & b & c \\
d+2a & e+2b & f+2c \\
g & h & i
\end{array} \right|\\
&=&
-(d+2a)(bi-ch)+(e+2b)(ai-cg)-(f+2c)(ah-bg)\\
&=&
aei-afh-bdi+bfg+cdh-ceg
\end{eqnarray}\]

このように、元の三次行列式とまったく同じ値になります。

次に1列目に、3行目を2倍したものを加えた行列式を考えてみましょう。次のようになります。第一行について展開しています。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc}
a+2g & b+2h & c+2i \\
d & e & f \\
g & h & i
\end{array} \right|\\
&=&
(a+2g)(ei-fh)-(b+2h)(di-fg)+(c+2i)(dh-eg)\\
&=&
aei-afh-bdi+bfg+cdh-ceg
\end{eqnarray}\]

やはり、元の三次行列式とまったく同じ値になることがわかります。

3.5. 値が0の行列式

行列の行ベクトルまた列ベクトルがお互いに従属している場合、その行列式の値はゼロになります(従属については『ベクトルの一次独立とは?驚くほど理解できるアニメーション解説』をご確認ください)。

式で確認したい方は、以下のボックスをクリックしてください。

二次行列の場合を式で確認する

まず、行が同じときは次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc} a & b \\ a & b \end{array} \right|
= ab-ba
=0
\end{eqnarray}\]

次に列が同じときは次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
|A|
&=&
\left| \begin{array}{cc} a & a \\ b & b \end{array} \right|
= ab-ab
=0
\end{eqnarray}\]

三次行列の場合を式で確認する

続いて三次行列式の場合です。

以下は、同じ行が存在する場合です。第一行について展開しています(行列式の展開方法については「余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~」をご確認ください)

\[\begin{eqnarray}
|A|
=
\left| \begin{array}{cc}
a & b & c \\
d & e & f \\
a & b & c
\end{array} \right|
&=&
a(ec-fb)-b(dc-fa)+c(db-ea)\\
&=&
aec-afb-bdc+afb+bdc-aec\\
&=&
0
\end{eqnarray}\]

同じ列が存在する場合も同様です。以下は第一列について展開しています。

\[\begin{eqnarray}
|A|
=
\left| \begin{array}{cc}
a & a & c \\
d & d & f \\
g & g & i
\end{array} \right|
&=&
a(di-fg)-d(ai-cg)+g(af-cd)\\
&=&
adi-afg-adi+cdg+afg-cdg\\
&=&
0
\end{eqnarray}\]

なお、このように行列式の値がゼロになるのは特別なケースだと言えます。具体的には、この場合の行列には逆行列が存在しないことを意味するのです。これについては、『逆行列とは何か?その求め方・条件・性質の徹底解説』で詳しく解説します。

4. まとめ

いかがだったでしょうか。以上が行列式です。行列式に慣れるために、ぜひご自分の手で、様々な行列式を計算してみてください。そうしているうちに、いくつか面白いことにも気づくことになります。

なお、当ページでは解説は控えましたが、\(3\times 3\) より大きな行列式を解いたり、さまざまな公式を求めるための「行列式の余因子展開」という重要なテクニックがあります。これについてご興味があれば『余因子による行列式の展開とは?~アニメーションですぐわかる解説~』で解説していますので、ぜひご確認ください。

次に読みたいページ
行列式と関わりが深いものに「逆行列」というものがあります。逆行列を理解すれば、これまで学んできたさまざまな概念がどんどん一本につながっていきます。『逆行列とは何か?その求め方・条件・性質の徹底解説』で解説していますので、ぜひ読み進めてください。



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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

  • すごく本質的なことが、しかも視覚的にわかるように書かれていて感動しました。
    ほとんどの高校生はもちろん、大学生も線形代数の授業で、なぜ行列式が必要で、何を意味し、どのように使われるのかの説明が無いまま、計算をさせられることにうんざりして、線形代数に対する興味を失うと思います。
    私の学生時代もそうでした。
    今も、ほとんどそうだと思います。数学は計算公式の前に、その意味を伝えることが必要と思います。
    先生のページを授業の時に使わせてもらっていいでしょうか。もちろん引用ルールに従います。

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