tanの微分の公式と証明が誰でも必ずわかるようになる解説

結論からお伝えすると、tan(θ)の微分は1/cos2(θ)になります。

なぜこうなるのでしょうか?その理由がわかると、単に公式を暗記するだけの場合と比べて、遥かに微分を深く理解できるようになります。そこで当ページでは、tanの微分について、誰でも理解できるようにアニメーションを使いながら、詳しく解説していきます。

それでは始めましょう。

目次

1. tanとは

最初にtanについて簡単に復習しておきましょう。

tanとは単位円上にできる、なす角・・・をθとする直角三角形の斜辺の傾きのことです。これは以下のようにsinをcosで割ることで求められます。

tan(タンジェント)の定義

\[\tan(\theta)=\dfrac{\sin(\theta)}{\cos(\theta)}\]

なす角・・・がθの直角三角形において、sinは対辺(高さ)であり、cosは隣辺の長さ(底辺の長さ)なので、この計算は斜辺の傾きを求めるものであることがわかります。

そして、tanは視覚的には以下のアニメーションで示しているように底辺の長さが常に1で、斜辺の長さが \(\frac{1}{\cos(\theta)}\)の直角三角形の対辺の長さとしてイメージすることができます。そのためtanの値は、θが 0π (0°)・1π (180°) のときは0になり、1/2π (90°)・3/2π (270°) 付近では無限大または無限小になります。

tan(正接)とは

このtanを、横軸がθ・縦軸がtan(θ)のグラフに描いたものが有名なタンジェントカーブ(正接曲線)です。

タンジェントカーブ(正接曲線)

以上がtanです。

なお、sinとcosについては以下のページで解説していますので、復習したい場合はぜひご確認ください。

2. tanの微分は 1/cos2(θ)

tanの微分公式は次の通りです。

tanの微分公式

\[
\tan^{\prime}(\theta)
=
\frac{1}{cos^2(\theta)}
\]

以下のアニメーションでは、これを視覚的に表しています。青が関数 tan(θ)、緑が導関数 1/cos2(θ) で赤線は各値での微分係数です。

tanの微分

このようにtanの微分は、必ずこの公式の通りになります。それでは、なぜそうなるのでしょうか?次にこれについて考えていきましょう。

3. tanの微分の証明

なぜ、tan(θ)の微分は1/cos2(θ)になるのでしょうか。ただ公式の通りに盲目的に問題を解くのではなく、こうしたことについて深く考えることは、微分の理解を深めるためのとても良い訓練になります。

まず、微分は dy/dx で求められます。そして、三角関数の微分を理解するための鉄則は、単位円上の直角三角形において、このdyとdxが何を意味するのかを考えることにあります。

なお、dxはθの変化であり、dyはθが変化することによるtan(θ)の値の変化です。具体的には tan(θ+dx)-tan(θ) で求められます。これらを、それぞれ dθ・d(tan(θ)) と表すことにします。

念のため、これを以下に示しておきます。

tanの微分の計算方法

\[
\tan^{\prime}(\theta)
=
\dfrac{dy}{dx}
=
\dfrac{\tan(\theta+dx)-\tan(\theta)}{dx}
=
\dfrac{d(\tan(\theta))}{d\theta}
\]

※見切れている場合は右にスクロールすることができます。

さて、それではdθとd(tan(θ))は何を意味しているのでしょうか。これを単位円上の直角三角形で視覚的に確認してみましょう。ぜひ、以下のアニメーションをご覧ください。

d(tan(θ))とd(θ)の視覚化

このように視覚的に確認すると、d(tan(θ))と d(θ)/cos(θ) が小さな直角三角形を形成していることが見えてきます。そして、この小さな直角三角形をよく見てみると、半径が 1/cos(θ) の元の直角三角形と相似形になっていることがわかります。

以下のアニメーションでご確認ください。

tanの微分の証明

以上のことから、小さな三角形の底辺と斜辺の比率は、大きな三角形の底辺と斜辺の比率である 1 : 1/cos(θ) と同じになることがわかります。そのため、最終的にtanの微分は次のように求めることができるのです。

書き換えた \(d(\tan(\theta))\) を微分式に代入

\[\begin{eqnarray}
\tan^{\prime}(\theta)
=
\dfrac{dy}{dx}
&=&
\dfrac{d(\tan(\theta))}{d\theta}\\
&=&
\dfrac{\frac{d\theta}{\cos^2(\theta)}}{d\theta}\\
&=&
\dfrac{d\theta}{\cos^2(\theta)} \times \dfrac{1}{d\theta}\\
&=&
\dfrac{1}{\cos^{2}(\theta)}
\end{eqnarray}
\]

以上のことから、tanの微分は必ず公式の通りになります。

4. まとめ

いかがだったでしょうか。

tanの微分は、sinやcosと比べて少しトリッキーです。しかし、順番に考えていくと、スッキリと証明できることがわかります。当ページが理解の役に立ったなら、とても嬉しく思います。



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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 突然のメール申し訳ございません。
    とても分かりやすく、深い内容のブログで感動しています。

    一点、どうしても理解できない部分があり質問させて下さい。
    以下の部分ですが、なぜ相似と言えるのでしょうか?
    どの角と、どの辺の比が等しいと言えますでしょうか?

    d(tan(θ))と d(θ)/cos(θ) が小さな直角三角形を形成していることが見えてきます。そして、この小さな直角三角形をよく見てみると、半径が 1/cos(θ) の元の直角三角形と相似形になっていることがわかります。

    ※クァンダで質問したのですが、回答できる方がおらずお聞きしました。

  • 恐らく自己解決できました。

    円の接線の角が90度
    三角形の一つの外角の和は、それに隣り合わない内角の2つの和に等しいことを利用して相似を証明できそうと思います。

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